男は黙って餃子の王将

会社帰り、猛烈に焼き飯と餃子が食べたくなった。
こんな時、あなたならどうしますか? 私の自宅の最寄り駅である阪急三国駅にはバーミヤンがある。
が、根っからの関西人である私に、この状態ではバーミヤンという選択肢はないのである。
関西の大学をバイトしながら通った男には、王将以外に選択肢はないのである。
ところが、三国駅周辺にはバーミヤンはあっても王将はない。ガッデム!


車に乗って食べに行くか(ついでにおゆばに寄るも良し)とも考えたが、もうちょっと考えたら、三国を1つ乗り過ごし、庄内に行けば駅前に王将があるのに気がついた。
気がついたということは、もう決定したということである。
帰りは1駅分歩けば、少しはカロリー消費にもなろうというものだ。


庄内駅の改札を出て、176号線方面へ出る階段を登る。Uターンするような形で階段の横の道へ入ると、ほんの少し歩いたところに王将はあった。入り口横のテイクアウト用の窓口沿いに見る店内は、王将としては上の下くらいに綺麗だ(ということは、一般的には中の下くらいか)。確か、今年の春ごろにオープンしたはずだから、たぶんそのせいだろう。
カウンターは7、8席程度で、1席おきに3人のお客さんがいた。私も1席空けて一番入り口に近い席に座る。まだカウンターの上には前のお客さんが食べた残骸が残っていたが、私は構わずメニューを手に取る。
注文を取りにきたカウンター内の店員が残骸に気づき、パートのおばちゃんに片付けるように指示を出したが、おばちゃんはイマイチ意味がわからなかったのが、しばらくなにやら店員とやり取りした後、ようやく残骸を片付けてくれた。そして、その間に私はとある問題に直面していた。
・焼き飯と餃子のみのセットがない
・さらに、ワンコインで食べられるセットがない
どうやらここは、ブルジョワジーのための王将であるようだ。店はもっと汚くても良いので、どちらかは用意してほしかった・・・。


少し悩んでから「マルトクセット」というのを注文。焼き飯・餃子・から揚げ・スープのセット。から揚げといっても2切れくらいだから、あまり得でもない気がする。カタカナだからか。
謎の王将用語で注文の品が店内にアナウンスされ、カウンターの奥で焼き飯の炒めが始まる。店員たちの会話を聞いていると、炒めているのはチーフらしい。中華なべを鮮やかな手際で何度も振りながら焼き飯を作っているのを、残りの二人の店員が取り囲むようにして眺めながらしゃべっていたから間違いない。ていうか、おしゃべりは後でやってくれ。チーフの手元が狂ったら、私の焼き飯がえらいことになってしまう。


先に餃子が来た。昔は8個180円だったと記憶しているのだが、最近は6個180円だ。巧妙だ。とりあえず1個口に入れると、熱くて涙が出た。
すぐに残りの品も出てきて、私のセットは完成した。あとは無心に食べる。
餃子のたれを小皿に入れようとしたら、小皿の上に何かよくわからない黒い粉のようなものがあったので、2段目の皿にチェンジする。小市民的だ。
程なく食べ終わり、水を一口飲んで立ち上がる。


半年振りくらいに王将でご飯を食べたが、やはりたまに食べるとやけにおいしく感じるから不思議だ。
ちなみに今週の金・土は餃子一人前105円(税込)らしい。行ってしまいそうだ。